美味しくなあれ。

稽古が終わり電車に乗って新中野駅で降り、帰路につく。みちみち歩きながらまず考えたことは「何食べようか」ということだ。もちろん「稽古を振り返らねば」という気持ちも大いにある。が、まずは腹ごしらえだ。

「食材、何が残ってたっけ?」と考える。棚にある、週末に買ったピーマン・玉ねぎ・にんじんの三種が脳裏に浮かぶ。冷凍庫に豚肉はあるが、野菜だけでも何とかなる気がする。次に考えることは「どれを主役にするか」だ。

と考えたところで、私の妄想が走り出す。「どれを選んでもワシのお腹に入るというゴールは同じ。これは舞台もおんなじなのでは。シーンや言葉や仕草のいずれで食いついても、物語で迎えるゴールはおんなじ。折角迎えるゴールならば、美味しい方が良いじゃないか」

いざ書いて眺めみると、これが合ってるのやら合ってないのやらよく分からないのだが、その瞬間はすべてがまあるく腑に落ちたのだ。

さて、何を食べたって?結局、食パン齧って我が腹は満足してしまいました。ああこれから。美味しくなあれ。