お月さん。

稽古が終わって戻った夜。

普段からはずいぶんと遅い食卓を囲んで「ごちそうさま」のあと、ガシガシと顔を洗って湯船へとつかり、少し火照ったまんまベランダに出てタバコを一本吸う。なんとなく明日の、いや正しくは明日朝出発の準備ができたような気がして、おそらく笑顔を浮かべていたように思う。

ふと空を見上げると、夜の雲間から月が見える。透き通った空に輝く月も素敵だが、ひょっこりと顔を出したお月さんに、なんだか親近感を感じてみたり。

さて、ひょっこりと見守られながら、今宵も少し働こう。頭と心を働かせて、その後ぐっすりと眠ることにするのだ。

小野坂貴之

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